はじめに
ニュースやマーケット解説で「VIX指数(恐怖指数)が上昇しています」といった話を聞いたことはありませんか?VIXとは一体何なのか、初心者にもわかりやすく知っておきたいですよね。本記事では、**VIX(恐怖指数)**について超やさしく解説します。難しい数式などは出てきませんので、ご安心ください。VIXが示す意味や、どんなときに注目されるのかを一緒に見ていきましょう。
VIX(恐怖指数)って何?
VIX(ヴィックス)指数とは、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500が「これからどれくらい変動しそうか」を表す指数です。別名「恐怖指数」とも呼ばれます。数字が大きいほど「株式市場が荒れそう」「みんな不安がっている」状態、小さいほど「市場は安定していそう」「みんなあまり心配していない」状態を示します。
もう少し専門的に言うと、VIXはS&P500指数のオプション取引から計算される予想ボラティリティ(価格変動率)の指数です。イメージとしては、株式市場の「お天気予報」のようなもので、嵐のように荒れそうならVIXが上がり、穏やかな天気になりそうならVIXが下がる、と考えるとわかりやすいでしょう。ただ、初心者のうちは難しく考えず「市場の不安レベルを示すもの」くらいに理解しておけば十分です。このような性質から「恐怖指数」というニックネームが付けられているのです。
VIXが高いとき・低いときはどうなる?
VIXの数値は高ければ高いほど市場の不安・緊張が強いことを意味し、低ければ低いほど市場が落ち着いていることを意味します。具体的な目安をいくつか挙げてみましょう。
- VIXがだいたい10前後: 市場はとても安定しており、人々があまり心配していない状態です。これは過去を振り返ってもかなり低い水準で、いわゆる「平穏」な相場と言えます。
- VIXが20前後: 少し変動が出てきていますが、概ね普通の範囲内です。投資家も適度に警戒はしているものの、パニックになるほどではありません。普段よく見られる水準と考えてください。
- VIXが30を超える: 投資家の不安が相当高まっています。株価が大きく下落していたり、将来への強い懸念が広がっている可能性があります。このくらいの数値になるのは、リーマンショックやコロナショックのような有事の際など、数年に一度あるかないかというレベルです。実際に、2008年のリーマンショックや2020年3月のコロナショックではVIXが一時80近くまで跳ね上がり、市場に極度のパニックが広がりました。
このように、VIXを見ると市場参加者がどれくらい緊張しているかの度合いがなんとなく掴めます。VIXが急上昇しているときは要注意で、多くの場合それは株式市場が大きく動揺して下落している時期です。一方で、VIXが極端に低すぎるときも、逆に「油断しすぎている」サインかもしれない点には留意しましょう。
投資家はVIXをどう活用しているの?
では、このVIX指数を投資家たちはどのように利用しているのでしょうか。初心者の方は「難しそうだから自分には関係ない」と思うかもしれませんが、基本的な見方を知っておくと役立つ場面があります。
まず、多くの投資家は相場全体の雰囲気をつかむバロメーターとしてVIXを見ています。たとえば自分の株式ポートフォリオが順調なときでも、VIXが急騰していたら「マーケット全体では何かリスクが高まっているのでは?」と注意を払うきっかけになります。逆にVIXが低水準で安定しているなら、大きなイベントが無く平穏な相場が続いていると判断できます。
また、VIXの値そのものを投資判断に活かす方法もあります。たとえばVIXが極端に高い場合は「恐怖がピークに達した」と捉えてあえて株を買う、逆にVIXが極端に低い場合は「安心しきっている」と見て警戒する、といった具合です。いわゆる逆張りの発想ですが、経験豊富な投資家ほどこうしたVIXのシグナルを意識する傾向があります。
また、一部の上級者はVIX自体を取引することもあります。VIX先物やVIX連動ETFなどを使って、ボラティリティ(変動率)の上下に投資する手法です。ただし、これらは専門的でリスクも高いため、初心者のうちは無理に手を出す必要はありません。
初心者の方はまず、ニュース等で「VIXが上がった/下がった」と聞いたときに、「今は市場が不安がっているんだな」「今は落ち着いているんだな」と理解できればOKです。そして、もし自分で投資を始めているなら、VIXの動きも参考にしつつ、相場の状況を広い視野で見る習慣をつけてみましょう。
まとめ
VIX(恐怖指数)は、株式市場の不安や安心の度合いを表す指標です。数字が大きければ「みんな怖がっている」、小さければ「落ち着いている」というイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。初心者のうちは専門的な部分まで深追いしなくても大丈夫ですが、VIXの動きに注目することでニュースの内容や相場環境をより理解しやすくなります。
マーケットの状況を把握する上でVIXは便利な「温度計」とも言える存在です。ぜひ今後、株価とあわせてVIXにも目を向けてみてください。なお、VIX指数の値はYahoo!ファイナンスなどの金融情報サイトや証券会社の取引ツールで簡単に確認できます。ニュースでVIXの話題が出た際には、「今マーケットの不安は高いのか低いのか」を意識してみると理解が深まるでしょう。
もっと詳しくVIXについて学びたい方は、『【保存版】恐怖指数VIX完全ガイド【初心者~上級者対応】』も参考にしてみてください。より踏み込んだ内容まで丁寧に解説されていますので、理解を深めるのに役立つはずです。ぜひ一度目を通してみてください。
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